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民法第1023条 ― 遺言同士が矛盾したときの解説

民法第1023遺言の抵触と撤回の推定

  1. 後の遺言が優先される(第1項)

もし前に作った遺言と、後で作った遺言の内容が食い違っているときには、矛盾する部分に限って「前の遺言は後の遺言で撤回された」とみなされます。

たとえば、

  1. 生前処分との関係(第2項)

このルールは、遺言と生前の法律行為が矛盾する場合にもあてはまります。

たとえば、

この条文の意味

遺言は「本人の最終意思」を尊重するものです。時間の経過に伴い意思が変わることは当然あり、そのときには最新の意思を優先すべきです。
1023条は、遺言が複数存在したり、生前の行動と食い違ったりしたときの調整ルールを示しているといえます。

ポイントのおさらい

この条文を踏まえると、遺言は一度作ったら安心ではなく、定期的に見直すことが大切だと分かります。相続財産を処分したときや家庭状況が変わったときには、遺言内容が古くなっていないか確認することが重要ですね。