2025.9.6 相続
直系尊属と兄弟姉妹の相続権のしくみの解説
民法第889条
- 相続人の順位 ― 子どもがいない場合のルール
民法第889条は、被相続人(亡くなった人)に子どもがいない場合、誰が相続人になるのかを定めています。
相続人の順位は次の通りです。
- 直系尊属(親・祖父母)
子どもがいないときは、まず親が相続します。もし親も亡くなっていれば、祖父母が相続人となります。
このときは「親等の近い人」が優先されます。つまり、祖父母より親が優先されるということです。 - 兄弟姉妹
子どもも親も祖父母もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。
- 兄弟姉妹が亡くなっていた場合 ― 代襲相続の準用
条文第2項では、第887条で定められた代襲相続が、兄弟姉妹にも適用されるとしています。
つまり、
- 被相続人の兄が先に亡くなっていた場合、その兄の子ども(甥・姪)が相続人になる
という仕組みです。
ただし、兄弟姉妹の代襲は一代限りです。つまり甥や姪がすでに亡くなっていても、その子(つまり被相続人にとっての又甥・又姪)には相続権はありません。
まとめ
民法第889条は、「子どもがいない場合の相続人の順位」を定めた条文です。
- 子どもがいない場合 → 親(または祖父母)が相続人
- 直系尊属もいない場合 → 兄弟姉妹が相続人
- 兄弟姉妹も亡くなっている場合 → 甥や姪が代襲相続
このルールによって、「相続人がいない」という事態を極力避けるようにしています。