2025.6.4 相続
相続放棄の手続きと注意点―期限を守り、債務の承継リスクを回避するために―
相続は亡くなった方の法律で定める一定範囲の親族が財産及び債務を承継するものですが、相続には種類があります。相続の種類は資産と債務を双方を承継する単純承認、相続財産の範囲内でのみ債務を承継する限定承認、及び相続をしない、つまり資産も財務も一切引き継がない相続放棄があります。ここでは相続放棄について述べます。相続放棄をするためには相続が生じたこと、つまり、被相続人が亡くなったことを知った時から原則3か月以内に家庭裁判所に書面で相続放棄する旨を申述することで相続の放棄ができます。尚、3か月間は事情により1回ないし2回程度延長、3ヶ月ごとに延長することを家庭裁判所に申し立て許可されれば延長となります。例えば相続財産や債務の調査に時間を要するような場合です。相続放棄は明らかに相続財務が相続財産より大きい場合に通常行われます。一旦相続放棄をすると撤回できず、後で財務が資産より少なかったことが分かっても撤回できません。相続放棄は後で資産の方が債務より大きいことが分かっても撤回はできません。相続放棄の3ヶ月の期間を徒過し、延長の申立てもしていない場合は原則として放棄はできず、単純承認したことになります。相続を知ったときから3ヶ月ですので、例えば長い間親と連絡がなく亡くなったことを知ったのがだいぶ先であっても知ったときから3ヶ月は放棄ができます。疎遠にしていた親族が亡くなった場合、何もしないで放っておくと、もし親族の相続人であった場合もしくは先順位の相続人が相続放棄などによって相続人に繰り上がって相続人になってしまった場合、相続放棄期間を過ぎると単純承認となりますので、その結果大きな債務を相続してしまうことがあり得るので注意が必要です。なお相続財産を費消したり処分したりすると単純承認をしたものと見なされますのでこの点も注意が必要です。正当な自由がある場合を除いて単純承認と見なされますので注意が必要です。